君の名は。Another Side:Earthbound
原作小説を補完するためのサイドストーリー
で、映画でわかりにくかったシーンが、アナ
ザーサイドを読むことで、そういうことだっ
たのかと、理解できることがいろいろあります。

三葉と入れ替わった時の瀧、テッシー、
四葉、三葉の父について、4つの話
分かれていて、原作小説や映画では知り
得なかった事実や心の中を知ることが
できます。

それでは、順番にあらすじと感想を
ネタバレを盛り込みながら、お届け
していきますね!

第1話 ブラジャーに関する一考察

この章は特に瀧が三葉になった時の
学校生活について詳しく書かれて
います。

まず、瀧が三葉になった時の様子を
まとめると、

①髪がくしゃくしゃでスカートが長い。
②コソコソ陰口を言われているのを
見ると黙っていられず、凄んでいく。
③右足首を左ひざにのせるように
組んで座る。
④マイケルジャクソンのダンスを
完璧に踊る。
⑤昼前には男言葉に戻ってしまう。
⑥ブラジャーのつけ方がわからない。
⑦クラスメイト全員の名前を忘れて
いる。
⑧なんかボーっとしている。
⑨「宮水さん」と名前を呼ばれても
気づかない。
⑩笑い方が「ふひひ」とか「いひひ」
である。

で、学校ではそれらが好感度アップに
なったようで、男子ウケがよくなった
と、テッシーがおしえてくれます。

どういうことかと聞いてみると

「さばさばしていて気持ちがよい」
「隙が増えた」
「つっこみにキレがある」
「なんか理解不能になった」
「挑発しとるのか」

という理由だとか。

そしてそれは、男子からだけではなく、
女子のファンも増えて、後輩の女の子に
手作りクッキーをもらったり、

「宮水さんのことが、やっとわかってきた」
「本当はこんな人やったんやねー」
「知らんかったわー」
「おとなしい人だと思っとったー」
「ひかえめな優等生じゃなかったんや」
「見る目が変わった」

云々、言われるようになります。

そこから見えてくる「本物の宮水三葉」像は・・・。

①主張のほとんどない女。
②おとなしく隙のない優等生。

しかし瀧から見て、わめき声が聞こえて
きそうなスマホのメッセージから読み
取れる三葉の印象は自己主張のできる
ファンキーな女性。

外面的な評判との著しいギャップに瀧は
とまどいます。

「おまえはいったい、どういうやつなんだ?」

瀧は、強い興味を覚えている自分に
気づくというところで終了です。

三葉の人格が変貌している話が中心の
第一話は読んでいてスカッとするし、
楽しかったです。

ネタバレをひとつ入れておきますと、

映画の中で三葉がバスケをしている
シーンで、なぜあんなに胸が揺れた
のかといいますと、瀧がブラジャーの
つけ方がわからなくて、つけてなかっ
たからなのでした。

タイトルにもなっているように、結構
ブラジャーの話もでてきて、その辺り
も男性の瀧の苦労が見えておもしろ
かったです。

第二話 スクラップ・アンド・ビルド

この章は、主にテッシーの家や家族、
しがらみや思いなどについて書かれて
います。

まず、テッシーは、「勅使河原建設」
という、地元の土建屋の跡取りです。

父親が社長で、糸守町に建っている
建物の八割がたを造っていて、採石場を
持っており、コンクリ屋もやっています。

これ以上ないくらい地元に根を下ろして
おり、小さい町ではテッシーは御曹司と
いう位置づけになっています。

つまり、どうあってもこの町から脱出
することはできない境遇であるという
ことです。

三葉の父の選挙演説の隣で
「私が町長を支えます」
みたいな顔をして、作業着姿で幟を
持って立っているテッシーの父。

またある日の夜は、宮水俊樹後援会の
人たちがテッシーの家に大勢集まって
選挙前の宴会をやっています。

典型的な癒着。
テッシーはこういう大人のしがらみが
我慢ならないのですが、自分が跡を
継ぐとなると自分もいずれはしなくて
はいけません。

たまにテッシーはこの町を爆破したく
なります。

ぶっこわして、更地にして、その上に
きれいなものだけを置いてみたい。
そんな風に考えてしまいます。

そんなときにいろいろ想像していた
ことが、後の彗星が落ちる日の
いろんなことに役に立ったのでしょうね。

あと、テッシーが材料を集めて、いつも
の3人でオープンカフェ(もどき)
バス停横の空き地に作る話が載っています。

三葉になった瀧が一生懸命にのこぎりで
木を切って、一緒に作り上げていく中で
今まで以上に心が通い合っていき、テッ
シーの本音も聞けることに。

そして、瀧も「そのうちいろいろ話す」
と言ったところで終了です。

実際のところは、話せないままだったん
だなぁって思うと、ちょっとさみしい
ですね。

話したあとのテッシーとさやちんの
反応が見てみたかったです。

第三話 アースバウンド

この章は、四葉の視点から見るお話です。

最近の三葉の様子がおかしいので、
いろいろ詮索しながらも心配している
四葉の姿がかわいいです。

想像力も豊かで、
①自分が三葉のアイスを食べてしまった
ことが原因で、三葉が生きる気力を
なくしてしまったんじゃないかとか、
②跡継ぎのストレスからおかしくなった
んじゃないかとか、
③美容室の雑誌を読んで、彼氏ができた
んじゃないかとか、
④不倫してるんじゃないかとか、
⑤三葉がおっぱいを揉むのは大きく
したいからなのだと思って、効果の
ありそうな食材で料理を作って
姉に振る舞ったりとか、

9才とは思えない発想がすごくて、
でも、けなげで、なんともおもしろ
おかしく描かれています。

こちらも少しネタバレしますと、
ある日、お神楽の稽古をしている最中に
四葉も千年前の世界にいってしまいます。

当時も今と同じようにお神楽の稽古を
しているのですが、外の様子や人の様子
などが現代と全く違っていて、四葉も
若い女性になっています。

すぐに元に戻ってしまうのですが、
当時の振り付けを覚えていたり、子ども
でない発言をしたり、おばあちゃんの
反応もなんともせつないです。

やはり四葉も、宮水家を受け継いで
いるんだなぁと、あらためて思う
シーンでもあり、感動的でした。

第四話 あなたが結んだもの

この章は三葉の父、宮水俊樹の二葉との
出会いから町長になり、彗星が落ちる
その日までが書かれています。

20年ほど前、俊樹は大学の歴史文化学
の研究所で研究者をしていました。

ある日、研究のために宮水神社を訪れます。

その時応対してくれたのが、二葉なの
ですが、俊樹の顔を見るなり何かに
驚いた顔をして、それからすぐに
「あら」と言ってにっこりします。

それは、まるでしばらく会わなかった
親しい友人を迎えたような破顔で、
長いこと探していた大事なものを
今見つけたような笑みを含んでいました。

そこから座敷に俊樹を迎えたあと、
宮水神社の歴史について、いろんな
話をします。

お互いに話が弾み、時間を忘れるよう
なひと時を過ごします。帰るころには
俊樹は二葉に興味が移ってしまって
いました。

帰り際の玄関口で、二葉は
「またおいでになるのでしょう?」
と尋ねます。

俊樹が「ええ、たぶん」と答えた後、
最初に会った時に驚かれた理由について
聞いてみると、
「どうしてだかわからないのですが、
初めてお会いしたとき、私はあなたと
結婚するような気がしたのです。
どうしてでしょう。ふしぎですね。」

とさらりと述べます。

そのあと自分が何を言ったのか
気づいた様子で、頬に手を当てたまま
顔をそらしてしまいました。

それからは仕事だと自分に言い聞かせ
ながら、俊樹は何度も宮水神社を訪れ
ます。

そして、二葉にどんどん惹かれていき、
やがて結婚することに。

おばあちゃんにはものすごく反対され
ますが、二葉も俊樹も一歩も引かず、
やがて、婿養子という形で認めて
もらえることになりました。

そこからは、三葉と四葉が生まれて
幸せな日々を過ごします。

しかし、そんな幸せも長くは続かず、
二葉が病気で死んでしまいます。

あまりのショックと悲しみで、二葉を
失った事実を受け入れられない俊樹は
この理不尽さの責任を宮水神社を中心
とする町の統合力のせいにすることで
心の均等を保ちます。

宮水家を追い出された俊樹は、この
宮水神社を軸としておかしくなった町
を正気に戻して、もっと近代化させる
ために、政治家になることを決意しま
す。

そして1人でアパートを借りて、町政
と町議会の研究をはじめ、ひたすら
議会の資料のコピーをしては、構想を
組み上げていきます。

後援者に勅使河原建設を取り込み、
二年間の準備を経て、町長選に出馬し、
晴れて糸守町長となった俊樹は、
次々と新しい計画を立ちあげては実行
していき、やり手の町長として、着実
に評価を固めていくのでした。

そして、彗星が落ちる数時間前のこと。

一葉と四葉が俊樹の事務所を訪ねて
きます。

義母がここに面会に来ること自体が
異常事態です。

今朝から始まった三葉の異様な行動に
ついて、二人からひととおり話を
聞いた俊樹は、二葉と語り合った
神話を思い出しました。

そこに傷だらけで泥だらけになった
三葉がノックもせずに飛び込んで
きます。

そして俊樹は、今自分がこの立場で
ここにいるということが定められた
ひとつの導きだと確信します。

町民全員を避難させることができる
のは町長である自分しかいないと
いうこと。

それもすべて、
「あるべきところに自然に導かれる」
という全部意味があってのことだと
いうこと。

そして、そのとき、目の前にいる
三葉の顔はとても懐かしい面影で、
もう二度と見ることができないと
思っていた顔がそこにありました。

という、あらすじなのですが、
この章はまさしく、
小説「君の名は。 アナザーサイド」
のメインであり、最重要章である
ことは間違いありません。

きっと二葉は俊樹と昔、入れ替わっ
てたんだろうなぁと思わせる描写は
もっとつっこんでほしかったの
ですが、そこは想像におまかせと
いうことなんでしょうね。

ただの堅物ではない、宮水俊樹の
内側がすごく伝わってくるお話でした。

まとめ

今回、小説「君の名は。 Another Side:Earthbound 」
のあらすじと感想をネタバレも入れて
お届けしましたが、実際、本当に深い
です。

もっともっと知りたくなるので、
アナザーサイドのアナザーがでない
かなぁなんて、思ったりして・・・。

ぜひ、読んでいただきたい一冊です。

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