新海誠「君の名は。」の原作小説第八章の
あらすじについて書いていきます。

いよいよ感動のラストです!
結末については、ネタバレに注意して
くださいね!

まだ、第七章を見ていない
という方はこちらからどうぞ ↓

新海誠「君の名は。」小説のあらすじと感想です!第七章ネタバレ注意

君の名は。第八章『君の名は。』

知らぬ間に身についた癖がある。

焦った時に首の後ろ側を触ること。
顔を洗う時、鏡に映った自分の目を
のぞきこむこと。

玄関から出て風景をながめること。
手のひらを意味もなく見つめること。

そして俺は、いつからかなにかを
願っている。

あれから数年が経ち、就職活動に
励む毎日。

高校の時に3人でよく通っていた
カフェで集まり、内定結果を報告しあう。

司と高木は上々のようだが、俺は・・・。

するとテーブルに置いていた
スマホが音を立てる。

俺はメッセージをチェックし、
コーヒーを飲み干して椅子を立った。

二人に手を振って別れ、駅へと向かう。

さっきのメッセージは、奥寺先輩から
だった。

近くまで来たので、ちょっと歩こうよ。
ということらしい。

久しぶりに顔を合わせるということで、
会話も盛り上がる。

その中で糸守町へ行った時のことも
話題に上がる。

「なんだか、いろいろと忘れちゃっ
 てるな。」

という先輩の言葉に俺も頷く。

ラーメン屋に入ったところまでは
覚えているが、その先からが思い出せない。

しかし、その時に彗星をめぐって
起きた一連の出来事に興味を惹かれて
いたことは覚えている。

人類史上まれにみる自然災害。
それなのに町の住民のほとんどが
無事だったという奇跡の一夜。

その日は、糸守町で偶然にも
大規模な避難訓練が行われており、
町民の大半が被害範囲の外にいて
危機を回避したというのだ。

それにしても・・・・と、俺はあらためて
妙に思う。

突如俺を訪れ、跡形もなく去っていった
何かのこと。

まあ、今さらいいか。
そんなことを頭で考えつつ、先輩と歩く。

夕食を食べに入ったレストラン。
そこは高校時代にバイトをしていた
場所だった。

そこで食事中に先輩は切り出す。

「私結婚するの。君もいつか、ちゃんと、
 しあわせになりなさい」

うまく返答ができずに、俺はお祝いの
言葉を口にしただけだった。

「今日は付き合ってくれてありがとう。
ここまででいいよ。」

歩道橋の階段を降りていく先輩の
シルエットを見ながら思った。

俺は別に、ふしあわせじゃない。
でも、しあわせがなにかもまだよく
分からない。

かすかな記憶

気付けば、また季節が変わり、
クリスマスのイルミネーションが
ちかちかと瞬いている。

俺は、12月になった今でも就活中で
コーヒーを飲みながら、スケジュール
帳に目を落とす。

カフェで、これからの要点などを整理
していると、とあるカップルの会話が
耳に入ってくる。

どうやら結婚式の相談をしているようだ。

のんびりとした地方のなまりが混じって
いて、幼馴染めいた安心しきった空気が
漂っている。

「それよりテッシーさあ、式までに
 ヒゲ剃ってよね」

コーヒーを飲もうとした俺の手が、
ぴたりと止まる。

自分でも理由がわからないまま、
鼓動が速くなっていく。

ゆっくりと俺は後ろを見る。

すでにカフェから出ていこうとする
坊主頭にニット帽をかぶる背の高い
男と、小柄で幼気な印象の女性。

俺はなぜか、その二人から
目をそらすことができなかった。

カフェから出ると、その足で
閉館間際の区立図書館に入った。

そこで手にしたのは、
「消えた糸守町・全記録」
という写真集。

写真の風景はすべてに見覚えがあり、
まるで住んでいたかのように
思い浮かべることができる。

今はもう存在しない、あたりまえの
町の風景に、なぜこんなに俺の心は
苦しくなるんだろう。

かつて、とても強い気持ちで、
俺はなにかを決心したことがある。

それは誰かと出逢うためになにかを
決めたもの。

だけどその記憶はあやふやで、
誰となのか、何だったのかが
わからない。

ただ、俺は今ももがいている。
人生にもがいている。

かつて、俺が決めたことは
こういうことではなかったか。と
ふと思う。

もがくこと。
あたりまえに生きること。

あと少しでいい。
もう少しだけでいい。

俺はなにかを願い続けている。

なにげない朝に・・・

季節はまた巡り、日々は加速していく。

俺は大学を卒業して、なんとか
手にした就職先で働いている。

その日も朝、目を覚まし、右手を
じっと見つめる。

あとすこしだけでいいから・・・
そう思いながら、俺はベッドから
降りる。

あとすこしだけでいいから。

私はそう願いながら、鏡に向かって
髪紐を結う。

春物のスーツに袖を通す。
アパートを出て、混みあった通勤の
電車に乗る。

俺はいつものように駅へ向かい、
電車に乗り、ドアによりかかり、
外を見る。

その瞬間、何の前触れもなく、
俺は出逢う。

とつぜんに、私は出逢う。
窓ガラスを挟んで、併走する電車の
中にあの人が乗っている。

私をまっすぐに見て、私と同じように、
驚いて、目を見開いている。

そして私は、ずっと抱いていた願いを
知る。

ほんの1メートルほど先に、
彼女がいる。

名前も知らない人なのに、彼女だと
俺には分かる。

しかし、お互いの電車はだんだんと
離れていく。

でも俺は、自分の願いをようやく知る。

あとすこしだけでも、一緒にいたかった。

もうすこしだけでも、一緒にいたい。

君の名は・・・。

停車した電車から駆け出し、
俺は街を走り、彼女の姿を探す。

彼女も俺を探していると、俺はもう
確信している。

坂道を駆けながら、私は思う。
どうして私は走っているんだろう。
どうして私は探しているんだろう。

覚えてないけど、たぶん、私は
ぜんぶそれを知っている。

細い路地をまがると階段があった。
そこまで歩き、見下ろすと、彼がいる。

俺はゆっくりと階段を上る。

私はゆっくりと階段を下りる。

目を伏せたまま、お互い何も言わず、
何も言えないまま、すれ違ってしまう。

だけど、こんなのは間違っている!!
私たちが見知らぬ人同士なんて
絶対に間違っている!!

だから、俺は振り向く。
まったく同じ速度で彼女も俺を見る。

瞳をまんまるに見開いて、彼女は
階段に立っている。

やっと逢えた。やっと出逢えた。

このままじゃ泣き出してしまいそう。
そう思ったところで、私は自分がもう
泣いていることに気付く。

私の涙を見て、彼が笑う。

私も泣きながら笑う。

そして俺たちは同時に口を開く。

まるで、いっせーのでとタイミングを
合わせる子供みたいに、私たちは
声をそろえる。

――― 君の、名前は、と。

まとめ

以上、「君の名は。」ラストまでの
あらすじ(ネタバレ)でした!

すごく幸せな未来を予感させる、
気持ちのいい結末だったので、
読み終えたあともスッキリしました。

二人のその後を読者に想像させる
ところがいいですよね。

第六章では三葉になった瀧が町長への
説得に失敗していてどうなるのかと
思いましたが、第八章の中で、
「避難を強行した糸守町町長の強権」
というくだりがあったので、どうやら
本物の三葉の言葉には、耳を傾けて
くれたみたいですね!
ここに親子の絆を感じました。

そして、記憶からは消えていましたが、
意識の中ではしっかりと相手を覚えて
いた三葉と瀧。

一度は絶望したりもしましたが、
ラストでは二人が元気な姿で再び出逢う
ことができて本当によかったです。

一つ一つのシーンを頭の中で
浮かべながらラストまで読み進めて、
あらすじをお届けしてきましたが、
映画で見るとより一層すごそうだなあ
と、思いました。

今日はいよいよ映画の公開日!
どんな映画になっているのか、
今からとても楽しみです!

新海誠「君の名は。」評価もスゴい!映画を観てきた感想です!!へ